【学名】Trichechus manatus
【英名】American Manatee, West Indian Manatee
【分布】アメリカ合衆国 フロリダ半島、カリブ海
【環境省レッドデータブック】絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 

人魚のモデルとしても知られているマナティー。水の中で生きる哺乳類です。マナティーは主に「アメリカマナティー」、「アフリカマナティー」、「アマゾンマナティー」と3種類います。今回は先日、朝の情報番組で紹介され、私も以前沖縄にある美ら海水族館で見たことのある、「アメリカマナティー」を紹介したいと思います。

 

アメリカマナティーって?

体長約3m、体重約500㎏の大きな体で丸みのある尾が特徴です。浅い水深に暮らすアメリカマナティーは草食動物で、川や海に生息している藻や植物を食べています。そして、寒さに弱い動物です。水温が20度を下回ると、徐々に弱り死んでしまいます。そこで、寒い冬場でも水温が年間を通して約22度に保たれるフロリダのキングス湾に生息しています。

アメリカマナティーの陸上動物の親戚は象で、象から進化したと考えられています。その特徴として、現在でもヒレの先に爪が残っています。この爪は、マナティーには不必要なもので、マナティーに良く似たジュゴンには爪はないそうです。象に似た点として、もう一つあげられるのが、ゆっくりとした動作です。マナティーには野生界で天敵が存在しません。象の場合、小象がライオンなどに狙われることがありますが、成長し体が大きくなった象を狙う動物はほとんどいないのです。狙われる心配がほとんどないため、両者ともゆったりとした動きが特徴に挙げられます。

 

なぜ、減少しているのか。

野生界において、天敵のいないアメリカマナティー。なぜ、減少してしまっているのでしょうか。唯一の天敵はそう、人間なのです。フロリダの野生のマナティーが生息するキングス湾では、ボートでの観光が人気です。そのボートに接触してしまい、傷ついてしまったり、命を落としてしまったりするのです。マナティーはとても人懐っこく、人間を怖がることなく、近づいてしまいます。そのため、ボートとの接触による事故がマナティーの減少する要因になっています。そこでキングス湾では、見る人へのマナーを徹底しています。保護するために、ボートの速度規制、マナティーと一緒に泳ぐツアーでは、ビデオを見せてマナティーの知識を最低限、観光客に認識させています。

アメリカでは、保護活動団体も存在するほど、積極的にマナティーの個体数を増加させることに力を注いでいます。

 

人が大好きで、近寄ってくるマナティーは本当に可愛らしくて、愛嬌たっぷりの癒し系です。保護活動が功を奏して、現在では個体数が約5000頭になり、2010年以降の約2000~3000頭に比べると徐々に増加しています。

 

保護活動によって、実を結んでいるアメリカマナティー。直接的に人間によって崩された生態系は、さらなる努力を費やさなければ、回復することはありません。

自ら動物に対するマナーを改善するだけで、救える命はまだまだたくさんあるはずです。