Red Zoo

カワセミ

【学名】Alcedo atthis
【英名】Common Kingfisher
【分布】ヨーロッパとインド、東南アジアにかけて分布。暖かい地方では定住するが、寒い地域では冬には暖かい地域に移動する。日本では、北海道では夏鳥として知られているが、ほかの地域では1年中見ることができる。
【環境省レッドデータブック】準絶滅危惧(NT)

 

カワセミは、背中がとてもきれいな青緑色で、お腹がオレンジ、のどとお腹の脇に白いラインの入ったカラフルで美しい鳥だ。頭が大きく、尾が短いどちらかと言えばずんぐりむっくりな体型だが、この色のおかげ(?)か、枝に止まっているだけでもとても絵になる。ちなみに中国でカワセミは「翡翠(ヒスイ)」と呼ばれており、宝石のヒスイの由来ともなっている。

小学生の時は、毎週日曜日の早朝に家族で近所の池のほとりに行き、望遠鏡でカワセミを探すのが楽しみだった。カワセミは、水辺の石や枝の上から水中に飛び込んで、魚や水の中に住む昆虫をくちばしでとらえる。水面近くをまっすぐ飛んで、一瞬水中に姿を消しさっそうと出てくる、その姿はとても格好がよかった。私たち兄弟はその美しい鳥が動く一瞬をとらえるために、望遠鏡を取り合ったものだった。

カワセミは英語でKingfisher(魚採りの王様)という名前がついているくらいそのダイナミックな捕食には定評があるが、その秘密の1つは目にある。面白いことに、水に潜るときに目からゴーグルのような膜を出すことで、水の中でも的確に獲物を捕らえることが出来るのだそう。なんて画期的!

そんなカワセミは、垂直な土手に巣穴をつくる。日本では20世紀に入ってから、全国の河川で護岸工事が進み、堤防が作られた。そのため、巣を作る場所を失ったカワセミはどんどん減っていった。

この美しい鳥を守ろうとする取り組みでは、カワセミが巣穴を作るための入り口の穴をあけた護岸ブロックの設置などを行っている。その効果もあり、近年ではまた数が増えてきていることが報告されている。