Red Zoo
イシカワガエル
【学名】Rana ishikawae
【英名】Isikawa’s frog
【分布】 奄美大島、沖縄島(北部)、徳之島 山地の森林中や、渓流の近くにのみ生息。
【環境省レッドデータブック】絶滅危惧IB類(EN)
イシカワガエルは、体長約12cmに成長する比較的大きなカエル。初めて名前を聞いたときは石川県に生息するカエルかと思ったけれど、名前は発見者の石川千代松博士に由来するのだそうで、沖縄本島と奄美大島にだけに棲む、めずらしいカエルだ。
緑色の地に紫の斑点。いわく、「日本で最も美しいカエル」なのだとか(ここは好みもあるのでしょうが・・・)。この奇抜な色味は、敵に見つからないように、体をコケの生えた岩に似せているといわれている。写真をよーく見てみると、目が青く、全体のフォルムも端正で、童話「カエルの王様」に出てきそうな…。
見た目だけでなく鳴き声も珍しい。冬に繁殖期をむかえると、「ヒュウッ、ヒョウッ!」と甲高い特徴的な声で鳴いて恋人を探している。ジャングルの中で呼び合うオランウータンたちの声みたいで、知らなければカエルだなんて絶対にわからない鳴き声だ。
そんなイシカワガエルは今、川の汚染や森の減少によってどんどん数を減らしている。絶滅危惧種にも指定され、「捕まえてはいけない」「飼ってはいけない」等のルールも決められた。
カエルをはじめとした両生類は環境にとても敏感で、ちょっとした変化でも生き抜くことが難しい。そのため、「今いるカエルを保護する」だけでは足りず、彼らの生息する川や森だけでなく、その周辺の自然も共に守っていくことがとても重要になっている。